2011年1月19日水曜日

これまで見た中で、一番面白い映画 【 ベン・ハー 】

今年に入ってから毎日ほとんどサッカー話でしたので、ちょっと気分転換…。


見たい映画があると、時間の許す限り、まず映画館の大きいスクリーンで見る主義です。
やっぱり臨場感が違うし、なにより暗い中なので見ることに集中できる!
ちなみにジャンルはあまり問いません。 SF、ファンタジー、歴史大作、時代劇、ミステリー、アクション、社会派の作品など…興味があれば何でも。


さて、私がいままで見た映画で、今もって「一番面白い!」と思っているのが…

「ベン・ハー」(Ben-Hur)です。 「最も大スクリーンで見たい作品」でもあるなぁ。


1959年製作。 監督は巨匠ウィリアム・ワイラー。

出演 チャールトン・ヘストン スティーブン・ボイド ジャック・ホーキンス ヒュー・グリフィス
      マーサ・スコット ハイヤ・ハラリート
      (あと、当時かけだしだったジュリアーノ・ジェンマがエキストラ出演してるらしい…)

舞台はエルサレム。 ユダヤの豪族の息子ジュダ=ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)は、ローマ軍の新しい将校となった幼馴染メッサラ(スティーブン・ボイド)と再会。
初めは再会を喜んでいた二人だが、考え方の違いから対立関係となってしまう。
後に、とある事件がきっかけでベン・ハーは反逆罪の濡れ衣を着せられ、奴隷としてガレー船に送り込まれてしまう。
海賊艦隊との激戦の中、ローマ艦隊司令官アリアス(ジャック・ホーキンス)の命を救ったベン・ハーは、アリアスに引き取られ、ローマ屈指の剣闘士に成長。
生き別れた母と妹の仇を討つため、戦車競走で宿敵メッサラに挑む…。


1959年のアカデミー賞で11部門受賞!
この記録は、1997年に「タイタニック」が同じく11部門受賞するまでは単独トップでした。
さらに2003年に「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」が11部門受賞で並んだものの、まだ記録を破られてはいません。

原作はルー・ウォーレスの小説 ”Ben-Hur:A Tale of the Christ” 、本作品は3度目に映画化されたもの。
副題に「キリストの物語」とあるように、ベン・ハーの数奇な運命の物語と並行して、イエス・キリストの生涯が描かれています。

本編212分の大作!ですが、今まで繰り返して見た回数が一番多い映画です。
(それは、DVDを持ってるからということもあるんですけど。)
次にどんなシーンがあってどんなセリフがくるのか…なんてことは、既にほとんど頭に入っているにもかかわらず、とにかく面白くて繰り返し見ちゃうんですよね~。 (^^)ゞ
自分が生まれる前に製作された映画に、なぜこうも惹きつけられるのか…。


この映画の最大の見所が、有名な戦車競走のシーン。
戦車…といっても、古代ローマの4頭立て戦闘馬車なんですが、この迫力はただ事ではない!
もちろんCGなんぞ無い時代…実際に競技場の巨大セットが作られ、大量のエキストラを動員して作られたシーンですから、生の臨場感がバシバシ伝わってくるわけです。

1925年製作の2度目の映画化作品が、戦車競走の場面を中心としたサイレント映画で、その時の場面をモデルとして、本作品の戦車競走シーンが出来上がったそうです。

ベン・ハーの戦車を引くのが純白のアラブ馬、対してメッサラの戦車を引くのが漆黒のアラブ馬…このコントラストがたまらん! ウィリアム・ワイラー監督の美意識が感じられます。

さらに、個人的に秀逸だなと思っているのが、競走が始まる前のシーン。
出走する戦車が横一列に並んで、お披露目のために競技場を1周する場面があります。
(競馬でいうところの「入場行進~返し馬」みたいなものか(笑))
普通はこういう場面って、端折ってしまうことが多いと思うんですが、本作品ではノーカット(たぶん)で本当に1周するまで時間をかけているんですね。
ここに時間を割くことで、映画を見ているお客さんが、映画の中の「競技場でスタートはまだかとワクワクしている民衆」と同じ気持ちになっていくわけです。
(実際に私は、後の展開を知っているにもかかわらず、この場面がくるたびドキドキします。)
こんなところにも監督のこだわりが垣間見えます。

ちなみに、「スター・ウォーズ エピソードⅠ/ファントム・メナス」のポッドレースの場面は、この戦車競走のシーンがモデルになっています。 見た時、すぐにピンときました。 (^^)b


見どころをもうひとつ…それは本作品のヒロイン! ベン・ハーと心を寄せ合う、ハー家の奴隷サイモニデスの娘エスター。 演じているハイヤ・ハラリートは、イスラエルの女優です。
理知的な美女が大好きな私(笑)にとっては、映画史上最高のヒロインです。

ハイヤ・ハラリートはこの後数本の映画に出演しましたが、イギリス人監督ジャック・クレイトン(「華麗なるギャツビー」の監督)と結婚して引退しちゃいます。 あぁ勿体ない…。
ジャック・クレイトンは1995年に亡くなっていますが、調べてみたら、ハイヤ・ハラリートはまだ健在でイギリス在住とのこと。
Wikipedia によれば、「ベン・ハー」主要キャストの中で唯一の存命者…となっていました。


さて、私がこの映画に出会った経緯が、ちょっと変わっていまして…

高校生の時、英語の先生が、ご自分のタイプライター(まだワープロすらなかった時代でございます…)で、「ベン・ハー」のあらすじをサブリーダーとして作ってこられて、それで授業を進めたことがあるんですね。
私は「これ、なんか面白そうな話だ!」と非常に興味をそそられまして…なかなか楽しい授業でした。

で、このサブリーダーでの授業が一通り終わった時、その先生から「この小説は映画になっているので、フィルムを借りて見てみましょう。」という提案が。
かくして、とある土曜の放課後、学校の体育館に小さめのスクリーンが張られ、「ベン・ハー」の上映とあいなりました。

自由参加でしたので、長時間の映画を見ることに慣れていない友人たちが次々に退席していったのですが、そんな中、私はかぶりつきで「面白い~」と最後まで見入っておりました。(^^)

その後、和訳されたものを文庫本で見つけて読みふけり、テレビで「ベン・ハー」が放送されるたびに見て…今日に至ります。

本作品の劇場上映は、さすがにもうほとんど行われないようで、実は私も映画館のスクリーンで見る機会は2回しかなかったんですよね…。
どこかでリバイバル上映してくれないかなぁ。 絶対見に行くんだけど。

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