昨日、会社帰りに見てきました。
戦火の馬 War Horse (2011年 アメリカ) ※公式サイトはこちら
監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 エミリー・ワトソン デヴィッド・シューリス ピーター・ミュラン ニエル・アレストリュフ
トム・ヒドルストン ジェレミー・アーヴァイン ベネディクト・カンバーバッチ
第一次世界大戦直前の、イギリスの農村。 農耕馬を買うために村の馬市に来ていた貧しい農民のテッド・ナラコット(ピーター・ミュラン)は、競りに出された一頭の馬に見惚れ、大金をはたいて競り落とす。
地代もまともに払えない状態にもかかわらず、およそ農耕馬には向かないサラブレッドの血が入った馬を連れ帰ったテッドを見て、妻のローズ(エミリー・ワトソン)は怒りを隠せない。 一方、息子のアルバート(ジェレミー・アーヴァイン)は、その馬が、以前に誕生の瞬間を目撃して以来魅了され続けてきた馬だとわかり、自ら調教することを買って出る。
アルバートは馬をジョーイと名付け、愛情を注いで育て、深い絆を築いていく。
やがて、第一次世界大戦が開戦。 悪天候で作物が全滅したことで地代を払うことがままならなくなったテッドは、やむなくジョーイをイギリス軍に売ってしまう。 ジョーイを連れて行かないよう懇願するアルバートに、陸軍のニコルズ大尉(トム・ヒドルストン)は、 「 ジョーイを借りていく。 いつか必ず返しに来る。 」 と言い残し、ジョーイを連れて出征していく。
軍馬となったジョーイは戦場の最前線に送られ、様々な人々との出会いと別れを繰り返しながら、数奇な運命を辿っていく。
マイケル・モーパーゴによる同名の小説と、それを舞台化した 「 軍馬ジョーイ 」 を元に、スピルバーグが映画化。
馬の視点で見た戦争の過酷さと、生き抜くために戦火の中を駆け抜けていくジョーイの存在感に圧倒されました。
軍馬となったジョーイは、イギリス軍大尉、敵対するドイツ軍に従軍する兄弟、戦場となっているフランスの田舎に住む祖父と孫娘…と、様々な立場の人々と関わっていきます。 それぞれのエピソードが、ややあっさりと流れているかな…という感はありますが、この作品があくまでジョーイという馬を主軸にしたものであると見るならば、それもOKかと思います。
戦場を駆け抜けるうちに鉄条網が絡まってしまい動けなくなったジョーイを、一時休戦したイギリス兵とドイツ兵が協力して助けるシーンは、実に感動的です。 しかし同時に、本来ならお互いを分かり合えるはずの彼らが、またすぐに戦わなければならないという、戦争の不条理さを浮き彫りにしている切ないシーンでもあります。
ラストシーンの美しい夕焼けが、実に印象的。 「 風と共に去りぬ 」 の、スカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)が自分の足で踏み出すことを決意するラスト… あのシーンへのオマージュのようにも感じられます。
どこか懐かしい、古き良き時代の映画を見るような気分に浸れる良作です。
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