2011年5月21日土曜日

ブラック・スワン

とにかく気になっていた映画だったので… 会社帰りに見てきました。(^^)


ブラック・スワン Black Swan (2010年 アメリカ)
監督 ダーレン・アロノフスキー
出演 ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル ミラ・クニス バーバラ・ハーシー ウィノナ・ライダー


「スター・ウォーズ(エピソード1~3)」のパドメ役でもお馴染みのナタリー・ポートマンが主演の心理スリラー。
ナタリー・ポートマンは、約1年のバレエ・トレーニングを受けてこの作品に臨み、本年のアカデミー主演女優賞を受賞しました。


主人公のニナ(ナタリー・ポートマン)は、かつてバレリーナだったがプリマの夢を断念した母親(バーバラ・ハーシー)のサポートを受けて、ひたすらバレエに打ち込んでいる。

ニナが所属するニューヨーク・シティ・バレエ団で、新しい振付による「白鳥の湖」が上演されることが決定。
バレエ団監督のルロワ(ヴァンサン・カッセル)が、これまで主役を務めてきたベス(ウィノナ・ライダー)の引退に伴い、プリマに新人を抜擢すると発表。

「白鳥の湖」のプリマは、純真無垢なオデット(白鳥)と、オデットそっくりの姿で王子を誘惑する悪魔の娘オディール(黒鳥)の二役を演じ分けなければならない、難しい役。
オーディションでルロワから「白鳥は完璧だが黒鳥には向いていない」と言われたニナではあったが、最終的にプリマに抜擢されることになる。

無垢な白鳥そのもののニナは、黒鳥のように奔放な性格のリリー(ミラ・クニス)とライバル関係になることで、少しずつ感情が歪んでいく…。


母親の、ニナへの期待。 「白鳥の湖」初日の前日に、自分の代役(プリマに万一の事があった際の控え)がリリーであることを知ったニナに襲いかかる「役を取られるのではないか」という不安。
これらが、どうしても黒鳥になりきれないニナに重くのしかかり、徐々に精神を苛まれて現実と妄想の区別がつかなくなって、時に狂気の片鱗を見せる様子を、ナタリー・ポートマンが見事に演じきっています。 必見です!


以下は、結末に触れていますので、これからご覧になる予定の方はスルーしちゃってください。



「白鳥の湖」初日、まず白鳥を踊るニナは、舞台上で幻覚を見たことから目まいを起こし、王子役のバレリーナのリフトから落ちるというトラブルが起きる。
憔悴したニナが、黒鳥の支度のために楽屋に戻ると、そこに黒鳥のいでたちのリリーがおり、「黒鳥は私が踊る」と挑発。 その姿がいつのまにかニナ自身に変わっていく。
2人は揉み合いになり、鏡に激突。 ニナは自分の分身を消してしまいたい一心で、割れた鏡の破片でもう一人の自分を刺す。 しかしニナが我に返ると、目の前に倒れていたのは、こと切れたリリー。
ニナはバスルームにリリーの死体を隠し、黒鳥の舞台に立つ。


…という展開になっていくのですが、楽屋のシーンでナタリー・ポートマンが見せた鬼気迫る表情に、背筋がゾクッとしました。
彼女の役者としての力量を、まざまざと見せつけられたシーンでした。


自分の心の奥底に抑えてきたものをやっと解放することができたニナは、妖艶な黒鳥を踊り切り、観客から大絶賛され、再び白鳥の支度をするため楽屋に戻る。
その楽屋へ、殺したはずのリリーが現れ、ニナに賞賛の言葉をかけていく。
バスルームにリリーの死体は無く、ニナはその時、リリーと争ったのは幻覚で、鏡の破片で刺したのは自分自身だったことに気付く。


このシーンで見せるナタリー・ポートマンの表情が、たまらない!
自分の心の闇を自覚したことによる絶望感で涙を流す一方で、自分がバレリーナとして完成形に近づいていっているという歓びからか、口元にうっすら笑みすら浮かべながら白鳥のメイクをするわけです。 その複雑な表情が切なすぎる… ここでまた、ナタリー・ポートマンの、役者としての幅の広さを感じました。


「白鳥の湖」は、悪魔にかけられた呪いが解けないことに絶望したオデットが、身を投げて命を絶つというエンディングを迎える。
ニナは白鳥を完璧に踊り、フィナーレの直前、客席に涙を流して見ている母親がいるのに気付く。
ラストの、崖から身を投げるシーンを終え、マットに横たわるニナ。 自らを傷つけたことによる激しい出血で意識が遠のいていく中、「私、完璧だったわ」とつぶやき、満足した表情を浮かべる…


「白鳥の湖」のストーリーとリンクした展開で、おそらくはニナ自身も悲劇の幕を閉じてしまう…ということを予感させるエンディングでした。

とにかく見応えあり! ナタリー・ポートマンの演技力を堪能できる作品でした。

2 件のコメント:

まさし さんのコメント...

やっぱり見応えのある作品ようですね。
今週はブラック・スワン、来週はパイレーツと
決めていたのですが、みやさんの感想を読んだら
満足しちゃいました!ナタリー・ポートマンの演技力、
今回は必見ですね!私も時間を見つけて観てきます。

みや さんのコメント...

>まさしさん
まさにナタリー・ポートマンが新境地に立った…という感じです。 ぜひぜひ!

私も来週あたりにパイレーツの予定です。(^^)