2010年12月14日火曜日

ハワイ歴史散策(2) イオラニ宮殿

まずは、ハワイ王国の歴史を知っていただくのがよろしいかと思いますので、ざっくりとご紹介を…。


 1753年  カメハメハ1世、ハワイ島にて誕生。 ※生年については諸説あり。

 1778年  ジェームズ・クックがハワイに上陸。
        カメハメハ1世は、クックから近代武器や戦術を手に入れる。

 1795年  カメハメハ1世、カウアイ島・ニイハウ島を除く全地域を支配、ハワイ王国を建国。

 1810年  カメハメハ1世、カウアイ島・ニイハウ島を従属させ、国家統一を成し遂げる。

 1819年  カメハメハ1世没。 息子 カメハメハ2世が即位。(1世の寵妃カアフマヌの摂政)

 1824年  カメハメハ2世、ロンドンにて王妃とともに没。
        麻疹(はしか)に感染したことによる。 王と王妃は麻疹の免疫を持っていなかった。

 1825年  2世の弟 カメハメハ3世が即位。(カアフマヌ、キナウの摂政)

 1840年  カメハメハ3世、ハワイ憲法発布、立憲君主国となる。

 1845年  首都を、マウイ島ラハイナからオアフ島ホノルルへ移す。

 1854年  カメハメハ3世没。 3世の甥 カメハメハ4世が即位
        4世は、エマ王妃とともに、病院やハンセン病医療施設の建設などに尽力した。

 1863年  カメハメハ4世没。 4世の弟 カメハメハ5世が即位
        この時代に、日本から初めての移民(1868年)。
 
 1872年  カメハメハ5世没。 世継ぎがいなかったため、選挙でルナリロ王が即位
        これにより、カメハメハ1世の直系子孫による王朝は終焉を迎える。

 1874年  ルナリロ王没。 後継者が定められていなかったため、選挙でカラカウア王が即位
        この頃、白人勢力が台頭、閣僚のほとんどが白人に。
        その中で王は、ハワイ経済発展のためアメリカと交渉を行ったり、外交改善のため世界各国を歴訪した。

 1887年  新憲法制定。 但しこれはアメリカ系移民により銃剣で脅された王がやむなく署名したもの。

 1891年  カラカウア王、サンフランシスコにて没。 妹のリリウオカラニ女王が即位

 1893年  女王が王権回復のための新憲法布告の準備をすすめていたが、白人一派に計画が漏洩。
        クーデターが起こり、リリウオカラニ王女は幽閉される。
        アメリカ海兵隊がハワイに上陸し、示威活動。
        白人一派が臨時政府を設立し、女王に降伏を迫るが、女王は米国政府に一時的に降伏。

 1894年  ハワイ共和国設立、サンフォード・ドールが大統領となる。
        これによりハワイ王国は消滅、リリウオカラニは女王から一市民に。

 1898年  ハワイ共和国がアメリカ合衆国の領土となる。 (州になるのは第2次大戦後、1959年)


ざっくりのつもりでしたが、結構長くなってしまった…(^^;)

ハワイ王国の首都がホノルルに移された時に中心地となったのが、現在ダウンタウンと呼ばれるエリアで、官庁街の近代的なビルに混じって、歴史的建造物が点在しています。


さて、本題のイオラニ宮殿('Iolani Palace)ですが、先日ご紹介したハワイ州最高裁判所の向かい側にあります。


もともとこの場所には、1844年に当時のオアフ島首長が建設した宮殿があり、その後カラカウア王により1882年に建て替えられたものです。


そして…前述の「ハワイ王国の歴史」において、リリウオカラニ女王が幽閉された場所が、まさにここなのです。 女王が幽閉されていた部屋も残されているそうです。

宮殿内は見学可能ですが、ガイド付の見学ツアーか、オーディオガイド付のセルフツアーに参加する形になります(地下のギャラリーのみの見学は予約不要)。 くわしくはこちら
私はいつも時間が合わず、残念ながらまだ宮殿内の見学は未体験。(^^;)ゞ 次に行く時にはぜひ見学ツアーに参加したいです。


敷地内には、こんな建物もあります。

【イオラニ兵舎(1870年建設)】


カメハメハ5世の警備などを務める兵隊のための兵舎。
現在は、売店および入場券売り場として使われています。


【コロネーション・スタンド(1883年建設)】


カラカウア王が即位した際に、西洋式の戴冠式を行うために建設したパビリオン。
のちに何度か改修されましたが、銅葺きの屋根は当時のままだそうです。


ハワイを代表する曲「アロハ・オエ(Aloha 'Oe)」。 愛する人との別れを惜しむ歌詞は、リリウオカラニ女王が作ったものです。
まだ王女だったリリウオカラニが、宮庭の執事である大佐の故郷で、彼と少女が別れを惜しむ光景にインスピレーションを得て作ったとされています。
しかし、イオラニ宮殿に幽閉されていた女王が、この歌に、消えゆく祖国への惜別の想いを重ねていたことは想像に難くありません。

ハワイに行かれた際には、ショッピングやアクティビティだけでなく、ハワイの歴史の1ページにも触れていただければ…と思います。

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