2013年5月10日金曜日

藁の楯

藁の楯 (2013年)  ※公式サイトはこちら



監督 三池崇史
出演 大沢たかお 松嶋菜々子 岸谷五朗 伊武雅刀 永山絢斗 余貴美子 藤原竜也 山崎努

「 この男を殺してください。 清丸国秀 29歳。 御礼として十億円お支払いします。 」
経済界の大物・蜷川隆興(山崎努)の孫娘が惨殺された。 容疑者は、8年前に少女への暴行殺人で逮捕され、仮出所したばかりの清丸国秀(藤原竜也)。  蜷川は全国紙に 「 清丸を殺した者に懸賞金10億円を出す 」 という全面広告を掲載し、「 清丸サイト 」 なるインターネットサイトを立ち上げ、全国民に向けて清丸殺害を依頼する。 その記事の影響で、匿ってもらっていた人物に殺されかけた清丸が、福岡県警察に出頭してきた。
警察庁上層部は、日本警察の威信を賭けて清丸を無事に福岡から警視庁に移送するため清丸に警護(SP)をつける事を決め、警視庁警護課第四係の警部補・銘苅一基(大沢たかお)と警護第三係の巡査長・白岩篤子(松嶋菜々子)が選ばれる。 2人は、警視庁捜査一課の警部補・奥村武(岸谷五朗)と巡査部長・神箸正樹(永山絢斗)と共に福岡に向かい、福岡県警捜査一課巡査部長・関谷賢示(伊武雅刀)を加えた5人の移送チームが組まれる。
日本の全国民が敵になるかもしれないという状況の中、銘苅達は48時間以内に清丸を移送することができるのか…?



木内一裕 ( 「 BE-BOP-HIGHSCHOOL 」 で知られる漫画家きうちかずひろ ) による小説 「 藁の楯 」 を映画化。


予告編で興味を持った邦画は久々です。
原作未読なので、あくまで本作を見たうえでの感想ということで…

前半はアクション中心。 特に高速道路上でのカーアクションは、なかなかの迫力。
後半はどちらかというと心理戦の様相を呈し、誰が敵で誰が味方なのか…というスリリングな展開に移りますが、中だるみすることもなく、エンタテインメント性が高い仕上がりになっていると思います。

自身が 「 交通事故で理不尽に命を奪われた被害者の遺族 」 という立場である銘苅。
清丸を移送する過程で何度か 「 そのクズ ( 清丸 ) は本当に守る価値があるのか? 」 という疑問が投げかけられ葛藤しつつ、それでも冷静に任務を遂行していた銘苅が、物語の終盤で、抑えていた感情を清丸にぶつける… このシーンは圧巻でした。
ふだん日本のテレビドラマはほとんど見ないし、邦画もよほど興味が湧かないと見ないという私は、実は大沢たかおの主演作をまともに見るのは初めてだったんですが… 良い役者ですねぇ。

清丸のクズっぷりも、なかなかのもの。 藤原竜也の力量を改めて感じました。

人の良心を守っているのは、脆くてすぐに吹き飛ばされてしまうような藁の楯…ということになるのでしょうか。
「 10億円の報酬 」 という弾丸で藁の楯が吹き飛ばされて箍が外れた人物が次々に現れ、救いのないエピソードが続くのですが、銘苅がギリギリではあったが最後まで藁の楯で 「 人としてあるべき姿 」 を守ったことが唯一の救い… そんな風に感じました。 予想していた以上にズシンときた1本。

できることなら銘苅のような生き方をしたいと思う。 …未熟者の私には、あまりにも高いハードルだけど。

2 件のコメント:

まさし さんのコメント...

藁の楯って、きうちさんの小説だったんですか。
知らなかったです。BE-BOPも熱い漫画だったので、この作品も
良い感じかもしれませんね!俺も邦画はあまり観ないけど、
最近は観たい作品もないので観てみようかな!

みや さんのコメント...

>まさしさん
そう、きうちさんの小説なんですよ。
私もこの映画の予告を見るまで知らなかったんですが…

この映画は邦画っぽくないテイストで、後半は「えっ?そういうことだったの?」なんて展開もあったりするので、最後まで飽きなかったです。
特に大沢たかおと藤原竜也の演技は必見ですよ!