2016年4月15日金曜日

カラヴァッジョ展

今日は代休でしたので、上野の国立西洋美術館で開催中の 「 カラヴァッジョ展 」 へ行ってきました。



今年は日伊国交樹立150周年ということで、ダ・ヴィンチ展やボッティチェッリ展なんかが続々開催されているわけですが ( どちらも混雑必至だったので足を踏み入れられず… ) 、本展もその一環として開催されておるわけです。

前述のダ・ヴィンチやボッティチェッリなどと比べると、日本ではカラヴァッジョはあまり馴染みが無いかもしれないなぁ。 まあ、かく言う私も、カラヴァッジョの名を知ってからそんなに経っているわけではないし、作品を直接見るのも初めてなんだけども。
でも、ルネサンス期からバロック期にかけて非常に重要なポジションにいた画家なんですよ。


カラヴァッジョことミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョは 1571年にミラノで生まれ、ミラノでの画家修業の後ローマへ。 それまでの絵画には無かった 「 明暗のコントラスト 」 を用いた絵画で、一躍時代の寵児に。
しかし彼は、絵画を制作し終えるたびに、仲間を引き連れて街を練り歩き喧嘩や口論を繰り返すという日々を送り、ついには乱闘で相手を殺してしまって死刑宣告を受けたことでローマから脱出。
ナポリやマルタなどを転々としながらの4年の逃亡生活の後、熱病に冒され1610年にトスカーナ州モンテ・アルジェンターリオの港町ポルト・エルコレで38歳の若さで死去。

その後は忘れられた存在になっていたカラヴァッジョ。 20世紀に入ってから、バロック絵画の巨匠であるレンブラントやルーベンス、ベルニーニといった画家たちが少なからずカラヴァッジョの影響を受けているとされ再評価されるようになったとのこと。
エキセントリックな生涯を送った人物ではありますが、その功績は計り知れないほど大きいということですね。


本展は、カラヴァッジョの作品11点 ( と帰属1点 ) 、及びカラヴァッジョの画風を模倣・継承した 「 カラヴァジェスキ 」 と呼ばれる画家たちの作品が集結。

カラヴァッジョの作品では、初来日の 「 バッカス 」 ( 上の写真、ポスターになってる絵 ) が目玉でしょうか。 よく貸してくれましたねぇウフィツィ美術館!
バッカスの肌のスベスベ感やら、とことんリアルに描かれた果物やら…カラヴァッジョの技量を感じさせる1枚。

そしてもう一つの目玉が 「 法悦のマグダラのマリア 」 。 近年カラヴァッジョの真筆だと認められた作品で、なんと世界初公開! 平日の午前中で比較的空いていたこともあって、じっくり鑑賞することができました。
カラヴァッジョが死の間際まで手元に置いていた3点のうちの1点だとされる作品。
タイトルからすると 「 法悦 = 宗教的エクスタシーにあるマグダラのマリア 」 ということになるのですが、実際そのようにも見えるし、しかし生気を失いつつある状態のようにも見えるし…と、時間をかけて見るうちに様々な印象を与える作品だなと感じました。 一筋縄ではいかないなぁカラヴァッジョ。

あと、「 エマオの晩餐 」 は一度見てみたいと思っていた作品なので、ここで出会えて感激!なのです。
ほとんど闇とも言っていい背景と、光が当たって浮き上がる人物のコントラストが素晴らしい。

もうひとつ、ぜひ見たかったのが、盾に描かれた 「 メデューサ 」 。 ウフィツィ美術館に同じ構図のものがありますが、本展に出品されているのは、それとは別の個人蔵のもの。 長らく真贋がハッキリしていなかったそうなのですが、4年ほど前にカラヴァッジョの真筆と認められたそうです。
X線写真で下絵を描き直した跡が見られることなどから、ウフィツィ蔵のものより先に描かれたファースト・バージョンと位置付けられているそうです。
何たって迫力が凄い! 「 おのれペルセウス~… 」 なんていうメデューサの声が聞こえてくるようだ… 戦闘相手がこんな盾持って向かってきたら、間違いなく逃げるわ(笑)。


さて、カラヴァジェスキ達の方に目を向けると…
正直、名前を知ってるのはジョルジュ・ド・ラ・トゥールとジェンティレスキ父娘 ( 今回、なかなか見る機会が無いアルテミジア・ジェンティレスキの絵が1点来ていた ) くらいだったのですが、今回いろいろな画家の作品を見ることができて、なかなかに有意義でありました。
初見のものの中では、ヘリット・ファン・ホントホルストの 「 キリストの降誕 」 が印象に残ったなぁ。


見終わった後の充実感がハンパない展覧会でありました。 (^^)



美術館を出た後、三越前へ移動。
コレド室町1にある カフェ エメ・ヴィベール でティータイム。


テョコレートケーキ、美味しかったです! ヾ(*⌒¬⌒*)ノ

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