原作 岩明均
監督 山崎貴
出演 染谷将太 阿部サダヲ(ミギー役:声・パフォーマンスキャプチャー) 深津絵里 橋本愛
新井浩文 ピエール瀧 豊原功補 大森南朋 北村一輝 國村隼 浅野忠信
右手に寄生生物ミギー(阿部サダヲ)を宿す高校生・泉新一(染谷将太)は、人間からもパラサイトからも要注意人物としてマークされる存在になっていた。
新一の住む東福山市は、市長となった広川(北村一輝)を中心にパラサイト達がネットワークを作り上げていた。 一方で人間側も、寄生生物殲滅を目的とした特殊部隊を結成し、東福山市庁舎に奇襲を仕掛けようとしていた。
戦いが激化する中、人間の子を出産し、人間との共存を模索するパラサイト・田宮良子(深津絵里)は、新一とミギーの存在に可能性を見出していたが、新一は母親を殺されたことで寄生生物への憎悪を募らせていた。 そんな彼らの前に最強のパラサイト・後藤(浅野忠信)が現れる。
生き残るのは人間か、パラサイトか? 新一とミギーの、最後の戦いが始まる。
岩明均の傑作コミック 「 寄生獣 」 を実写映画化。 昨年公開された第1作目に続く完結編。
1作目と同様、時系列が異なる部分などはあるものの、上手くまとめてはいますね。
ただ、それぞれを2時間程度に凝縮しなければいけないということもあってか、特にこの完結編では全体的にちょっと急ぎすぎな印象は残りました。
ゆえに、原作における新一の心理変化とか、新一とミギーの立場の変化とか、そういうものが表現しきれなかった感じです。 まあ、2部作では、そこまで描ききるのは難しかったか。
今回は、後藤を演じた浅野忠信が良かった! あの威圧的な演技はさすがですわ。
以下は、見ていて何点か気になったところ。
原作で、田宮良子 ( この段階では田村玲子と名乗っている ) が大学の講義を受けている場面があります。
講義のテーマが 「 動物の利他行動と利己行動 」 について… すなわち、自分の損得抜きで他人を助ける行為と、自分の利益だけを求める行為についてなのですが、ここが映画では取り入れられていないんですよね。
田宮良子の後の行動に繋がってくる部分だと思うので、端折らないでほしかったかな…と。
まあ取り入れ方も難しかったかもしれませんがね。
あと、ちょっとネタバレ含みますが…
クライマックスの、新一と後藤が対決する場所。 本作ではゴミ焼却施設という設定になっていて、「 放射能ゴミ受入反対 」 みたいな看板があるような所。 で、後藤に致命傷を与えたのが、ミギー曰く 「 放射性物質が付着していた 」 鉄の棒…
そもそも放射能ゴミが持ち込まれるような施設に簡単に入り込めてしまうのは不自然ではないかなぁ。 しかも、そんな場所なら足を踏み入れた途端に命の危険に晒されますよね。
原作は、日常をとことんリアルに描くことで、その対比として 「 寄生生物 」 という非日常の事象を際立たせる効果を生んでいると思うんですよ。 で、本作もここまではそれがわりと上手く進んでいたのに、新一と後藤の対決の場としてこの施設が登場したことで急にリアルさが失われてしまったように感じたんですね。
この場面は、原作通り、不法投棄物がある森での対決 ・ 後藤に致命傷を与えたのは 「 何か有害な化学物質が付着していた 」 鉄の棒…という方が説得力があるように思う。
それから、浦上の立ち位置がちょっと中途半端で、ラストの新一との対決シーンがいまひとつな感じになってしまっていたのは否めない。
まあ、気になったところは他にもいろいろありましたが、まずまず楽しめたのも事実です。
全く同じ場面を描いたとしても、コミックを読んで受ける印象と映像から受ける印象は違ってきますからね。
そこは割り切って見た方がいいのかな…と。
この作品の実写化に挑戦したことに対しては、敬意を表したいと思います。
…ということで、原作未読の方はぜひ! ( 新装版も出てます。 )
2 件のコメント:
みやさん、お久しぶりです!
寄生獣はまだ前作も観てないんですよ…
これも早めにと思ってたのですが、
ほかに書き貯めてたり観たい物もあって
なかなか次に進めません…
やっぱりコミックの実写映画化とか無理
が出てきちゃいますよねぇ~
感想とても参考になりました!!
>まさしさん
お久しぶりです。 コメントありがとうございます。
原作は全10巻と長いので、2部作ではどうしても描ききれない部分が出ちゃいますねぇ…
ここは別物と割り切って見るのがいいんでしょうね。
もし原作未読でしたら…観終った後にでも、ぜひ読んでみてください!
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