2012年8月4日土曜日

2012年トルコの旅 2日目 その2 : トロイ遺跡~アイワルク

「2012年トルコの旅」 これまでの記事
1日目 : お初です トルコ航空  2日目 その1 : アジアサイドへ


7月15日(日) トルコ 2日目 その2


昼食後、バスで30分ほど移動し、15:00頃 トロイ遺跡 Troia Örenyeri ( 世界遺産 トロイの考古遺跡 ) に到着。 イスタンブールからここまで、およそ320kmを移動したことになります!




ここで、ホメロスの叙事詩によるトロイア戦争について書いておきますと…

女神テティスとプティーア王ペレウスの結婚式が執り行われるにあたり、大神ゼウスは全ての神々を招待するが、争いの女神エリスだけは招かれず。 これを妬んだエリスが、宴を邪魔するべく、祝いの席に 「 一番美しい女神に 」 と書かれた黄金の林檎を投げ込んだから、さあ大変! 「 一番美しい女神っつったらアタシじゃん! 」 と、宴の場は大揉めに。
中でも、ゼウスの妻ヘラ、戦いの女神アテナ、愛の女神アフロディテの3人が一歩も譲らず、「 誰が黄金の林檎にふさわしいの!? 」 と問い詰められて困ったゼウスは、美男の誉れ高いトロイアの王子パリスにジャッジを委ねます。
3人の女神は自分を選んでくれたらどんなメリットがあるかをパリスに猛アピール、ヘラは 「 全アジアの君主の座 」 、アテナは 「 全ての戦いでの勝利 」 、アフロディテは 「 最も美しい女 」 を約束すると迫ります。 で、パリスが選んだのはアフロディテ。 富でも権力でもなく、美女を所望するパリス…若いな(笑)。
これが 「 パリスの審判 」 と呼ばれるエピソードで、ルーベンスやルノアールなどがこれを題材にした絵を描いてます。

当時、人間界一の美女と誉れ高かったのが、スパルタ王メネラオスの妃ヘレネ。 スパルタ王を訪ねたパリスは、絶世の美女ヘレネに横恋慕。 ここでアフロディテの力が働き、パリスはヘレネを強奪しトロイアへ連れ帰っちゃいます。
怒ったメネラオスは、兄であるミュケナイ王アガメムノンに、トロイア侵攻と妻の奪還を依頼。 ギリシャ全土の兵が集まり、トロイアへ進撃… これがトロイア戦争の始まり。
不死身の戦士アキレウスが、唯一の弱点である踵をパリスの矢に射抜かれて斃れた ( アキレス腱の由来ですね ) のは、この戦いの最中のこと。

トロイアを陥落できないまま戦いが10年も続いて疲弊したギリシャ軍が、一計を案じます。 巨大な木馬を残して、自分たちは撤退したように見せかけ、「 木馬はアテナの怒りを鎮めるために作った。 これを城内に引き入れればギリシャ軍が負けるというお告げがあったんだぜぃ。 」 という嘘を流したところ…信じちゃったんですねぇトロイア。 木馬を城内に引き入れて、勝利の大宴会のあとトロイア軍が寝静まった頃、木馬に潜んでいたギリシャ軍兵士が城内に火をかけ城門を開け、沖からも船がとって返して総攻撃をかけ、トロイアはあっという間に陥落 ( あ~あ… )。 これが 「 トロイの木馬 」 であります。


考古学的にはトロイア戦争は伝説にすぎないと言われていたのですが、幼い頃からこれが史実だと信じてきたドイツ人シュリーマンが、私財を投じて1861年からトロイ遺跡の発掘を始めます。


周囲の嘲笑にも動じず発掘を続けたシュリーマンは、発掘を始めてから約10年後、ついに ヒサルルクの丘 Hisarlıktepe を発見。
栄えては滅びる歴史を繰り返した都市の、9層にわたる遺跡を発掘し、「 プリアモスの財宝 」 が出土した第2市 ( 下から2番目の層 ) を トロイ ( イリオス ) であると断定します。

なお、後世の調査で、第2市はトロイア戦争の時代よりも古いものであると結論づけられ、現在では第7市 ( 下から7番目の層 ) がトロイア戦争の時代のものであるとされているそうです。

第6市の遺構
第6市の城壁
シュリーマンが 「 プリアモスの財宝 」 を掘り当てた第2市の部分
第2市の坂道
井戸。 紀元前300年代と書いてあったので、第8市のものかな?
第9市の聖域 ( 儀式などが行われた場所 )
第9市のオデオン ( 小劇場 )

シュリーマンの時代はまだ発掘技術が確立されておらず、発掘の過程で失われてしまった部分もかなりあるそうで、その事が、その後現在まで続く調査において支障となってしまっているのですが、しかしシュリーマンがこの場所に目を付けなければ遺跡自体が発見されないままになっていたかもしれないわけで… そういう点では、シュリーマンの功績は大きかったとも言えるわけですね。

35℃はありそうな暑さの中、水を片手に汗を拭き拭き一回り。
入口に戻ってきたところで… 「 トロイの木馬 」 。 もちろん復元したもので、中に入れるようになっています。

いやぁ、観光用もはなはだしいな…と言いつつ…
…一番上まで上ってみる(笑)。

売店で水をもう1本買い足し、すぐ横の日陰で涼んでいると、ニャンコ発見!

バスは16:00頃にトロイ遺跡を後にし、今夜の宿泊地 アイワルク Ayvalık へ向かいます。


18:00頃、エドレミット Edremit のドライブイン Zeytin Mola で休憩。


このあたりで栽培されるオリーブは、搾油用オリーブとしての評価が高いそうで、店内でもオリーブオイルやオリーブ石鹸などが売られていました。 ここでオリーブオイルを購入。


出発後、しばらくオリーブ畑の光景が続きます。


トロイからおよそ150kmを走り、19:00をまわった頃、アイワルクの ハリッチ・パーク・ホテル Haliç Park Hotel に到着!


より大きな地図で Haliç Park Hotel を表示



ベランダからエーゲ海が見えるよ~!
ホテル前のビーチ

夕食はホテルのレストラン。 ビュッフェ形式です。
生ビールがあるというので頼んでみたらツボルグでした。 トルコでは海外ビールっつったらツボルグ…って感じなのかなぁ。 街中でよく看板も見かけたし、人気みたいですね。
あれ? そういや、まだエフェス飲んでないや。 明日のビールはエフェスにしようっと。


とりあえずいろいろ取ってきました。 ヤプラック・サルマスがすっかりお気に入りです。
イワシのフライ ( 奥 ) も美味しいです。

手前がテル・カダユフ
デザートで テル・カダユフ Tel Kadayıf ( 手前 ) にチャレンジ。 極細の麺状の生地を焼き上げてシロップをかけたもの。 美味しいんですが…やっぱり極甘です。 ( ̄~ ̄)
白い方のやつ ( 奥・名前わからず ) は、もちもちした感じで、さほど甘くはなかったです。

食事を済ませた後、外に出てみました。  遠くの寺院からアザーン ( お祈りの時間を知らせる合図 ) が聞こえてきたりして、なんか良い感じです。


夕暮れどきの光景…ですが、もう21:00近くなんですよ。


明日は、エフェソス遺跡を経由しパムッカレへ向かいます。


3日目 その1 : エフェソス遺跡 (1) へ続く )

2 件のコメント:

まさし さんのコメント...

すごい!すご~い!! トロイの木馬だ!
写真のは復元なんですか。初めて観ましたよ~。
これまで、映画の「トロイ」でしか木馬を観た事なかったもので…
中にも入れるんですね。トルコの旅、めっちゃ良いっす!!

みや さんのコメント...

>まさしさん
つい木馬に上ってしまうところが観光客丸出し(笑)ですが、やっぱり「せっかく行ったんだから…」というふうになっちゃいますね。(^^)

木馬のデザインは、どちらかといえば映画「トロイ」のやつの方が好きですが…
そうそう! チャナッカレには、映画で使った木馬が展示されているらしいんですよ! ←帰ってきてから知った(笑) ただ、ツアーバスはその場所を通らなかったので…ちょっと残念でした。

旅日記の更新ペースが緩くて恐縮ですが、これからいろんな場所が出てきますので、楽しみにしていただければ嬉しいです。